遺品整理は

大切な人を失ったとき、悲しみや寂しさの整理がつかないまま訪れるものが遺品整理です。
特に、故人と離れて暮らしていた場合には、どこに何があるのかよくわからないということは少なくありません。

また、故人が暮らしていた住まいの退去手続きをしなければならず、ゆっくり故人を悼みながら、遺品整理を行う時間を取れない場合も多いです。さらに、遺品整理のための労力が十分にないという人もいるでしょう。

相続や処分方法などの手続きの流れがよくわからないということもあります。
そのようなときに、手助けをしてくれるのが遺品整理業者です。

遺品整理業者は不用品回収業者と違って、故人や遺族の想いに寄り添いながら、処分するものと残すものをプロとして迅速に仕分け、作業してくれます。

今回は、遺品整理業者に作業を依頼するときの流れや、当日の作業の流れについてわかりやすく説明します。

混乱や動揺のなかで行うことも多い遺品整理。あらかじめ流れを知っておくと、戸惑うことが少なくて済むでしょう。

問合せ

遺品整理を遺品整理業者に依頼したいと思ったら、まず業者に問い合わせを行いましょう。
どのようなサービスであるか概要を聞いたうえで、実際に訪問してもらい、見積もりを出してもらう日を決めます。

電話で対応しているところも多くありますが、最近ではメールやホームページの問い合わせフォーマットから問い合わせできる業者も増えており、手が空いた時間に問い合わせを行える業者もあります。

見積もり

問い合わせを行ったあとで、見積もりの日時を決めたら、実際に見積もりをしてもらいます。見積もりは可能であれば、数社取りましょう。

それぞれの業者で依頼内容を変えてしまうと比較できなくなるため、依頼内容は同じにして、サービスや費用を比較できるようにすると良いです。

見積もりでは、処分するものや運ぶもの、清掃の有無、作業に必要になる人数などを確認します。遺品の量や整理する部屋の広さ、階数が上階であるか、その際はエレベーターがあるかどうかなど、作業の流れに手間がかかる場合には、費用に影響するケースが多いです。

見積もりをもらったら、確認したいのはサービスの内容と費用です。基本料金は安く設定していても、追加料金が次々と発生したり、オプション料金を追加しなければ作業が進まなかったりする仕組みの悪質な業者もあります。必要なサービスが妥当な金額で見積もられているかを確認しましょう。

また不明な点がある場合には、作業を依頼する前に説明を受け、納得した時点で契約することが大切です。

依頼

サービスに依頼したい内容が含まれており、納得できる料金であれば、作業を依頼するための契約をします。

契約するときに、実際に作業をする日時や、作業内容を詳しく打ち合わせすると、当日の流れがスムーズです。

特に処分したいものや残したいものの量や場所をわかりやすく伝えておくと良いでしょう。また当日までに可能な範囲で仕分けをしておくと、作業の流れを早く進めることができ、場合によっては費用を抑えることができます。

わからないことや、作業当日までに用意しなければならないものがある場合には、契約するときに、確認しておきましょう。

作業にかかるおおよその時間も確認しておくと、近隣の住民などへの配慮もしやすく、トラブルを避けることができます。

作業当日の流れ

作業当日は、契約のときに決めた時間に作業員が現地を訪れます。
遺品整理業者のなかには、立ち会いをしなくても作業を行ってくれる会社もありますが、多くの業者では、トラブルを避けるために立ち会いが必要です。

作業当日に作業員に触れられたくないプライベートなものがある場合には、あらかじめ移動させておいたり、触らないでほしいことをわかりやすく伝えたりしておくと良いでしょう。

また間違えて処分してしまったということがないように、処分するものと残すものについて、確認してから作業を始めてもらうと、一つずつ確認する手間を省くことができるため作業がスムーズです。

故人を悼みながら

作業当日はもう一度、処分するものと残すものを、業者と一緒に確認しましょう。
実際に作業に入る前に、まず部屋や建物の角などを傷付けないために養生シートを貼ったり、保護材を敷いたりするなどの準備があります。

次に、遺品を仕分け、処分するものを可燃ごみと不燃ごみに分けるなどの流れに移ります。仕分けが終われば梱包し、運び出すという流れです。

作業の流れだけを聞くと、不用品回収業者と同じではないかと思った人もいるのではないでしょうか？
確かに、使わなくなった不用品を仕分けし、回収、処分をしてくれるという意味では、作業そのものは不用品回収業者と同じかもしれません。

しかし、遺品整理業者と不用品回収業者の大きな違いは、故人を悼み、遺族の気持ちに寄り添いながら、作業が行われるかという点です。

不用品回収業者ではときに流れ作業になってしまいがちなものも、遺品整理業者では、故人や遺族の気持ちを考慮し、悼む想いを大切に、一つ一つの作業を行います。

確認と支払い

依頼していた処分や運搬など、作業がすべて終わったら、業者とともに確認し、あらかじめ合意している費用を支払って、完了します。

確認作業は、遺品整理業者だけに任せることなく、一緒に行うことでトラブルを避けることができるでしょう。

まとめ

今回は、遺品整理業者への依頼から作業完了まで、どのような流れなのか、わかりやすく紹介しました。

遺品整理は、何度も繰り返し経験するということはなく、多くの人にとって不慣れなものです。また気持ちの整理がついておらず、落ち着いて冷静に遺品整理ができるという人は少ないでしょう。そんな遺品整理の手助けをしてくれるのが、遺品整理業者なのです。

どちらにしても、使わなくなった物の処分や整理、運び出しを依頼するのであれば、不用品回収業者も同じではないかと思う人も多いかもしれません。しかし、遺品整理業者は、故人や遺族の気持ちに寄り添うことを忘れません。

故人と離れて暮らしている場合には、何がどこにあるのかわからないけれど、退去の日が迫っているし片付けなければならないということも多くあります。そのようなときは、遺品整理業者に作業を依頼することで、故人を悼みながら、作業をスムーズに進めることができます。